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裏風俗ぶらり旅

日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!

33.秋田町(徳島県)

えらいこっちゃエロいこっちゃ、ヨイヨイヨイ♪住宅街の中のレトロなチョンの間とは?

気持ちタカまる阿波踊りの街でヌルリと踊る

夏は「おどらなそんそん」阿波踊り
夏は「おどらなそんそん」阿波踊り

世の中面白いもので、どんな商売でも当りだすと、そのまわりの施設やインテリアなども含めて環境がググ〜ンと良くなってくる。

そのことはフーゾク・ビジネスとて例外ではない。でも途中で、気持その勢いが失速してしまうと、なんとも中途半端なやるせない状況に陥ってしまうことにも・・・

ところで毎年の夏のイベントといえば全国的に見渡してみても徳島の“阿波踊り”ほど心躍り、気持ちを昂(タカメルと読みませう)めてくれるものはありません。本当は青森のねぶた祭りとか、沖縄のエイサーのような感動的なイベントもあるけどね。まぁそれは、この際見ないことにして。今年は四国の徳島へと出かけてみました

ただし、ここで断わっておくけれど、いくら“アワ踊り”とは言ってもソープランドで泡姫たちが身体を密着させてヌルヌル・ゴシゴシと楽しませてくれる“泡踊り”では決してなく、「えらいこっちゃ、えらいこっちゃヨイヨイヨイ」のほうの本場の“阿波踊り”のほうです。マルッ!

でついでに徳島に来たのだからフーゾクのほうも楽しんじゃえ、ということに。でも四国四県ある中で、温泉街の中にある愛媛の道後とか、本州とのアクセスがよい香川の高松・城東町とか、一種独特な色街の風情を残す高知の玉水町とかに比べるとご当地の徳島は、その昔からいま一つパッとしない。フーゾクにとってはクスんだ町なのである。

住宅街を彩る薄明かりのチョンの間

とはいっても、世の中オトコとオンナがいる限りは、この町にだってフーゾクはある!町の繁華街の中にソープランドだって数軒、ヘルスもピンサロもそれなりにある。いやそれだけではない、今流行りのデリヘルだってもちろん揃っている。ただし、それらが面白いかどうかは分からないけれど。

でも、ちょいと興味を引くのは、こちらの繁華街にあたる栄町のお隣の秋田町という住宅街の中にあるチョンの間である。なにしろ一般の家が立ち並ぶ中の、ややうす暗い場所で地味〜に営業を続けているフーゾク店が何軒もあるのだ。

秋田町のチョンの間は、もう数十年も前からズーッと商売を続けてきた。筆者が、初めてこちらを訪ねたのは確か四十数年も前のことである。そのころも今も、住宅街のなかの“しもた屋風”の家の玄関を一年中開け放して客を迎えこんでいる。その玄関には、オレンジ色っぽい電球が一つぶら下がっているだけのさびしい光景。

ともかく、あまりパッとしたフーゾクとは言えそうになかったのだが、1980年代の終わりごろ、というからバブル景気が、そろそろ弾けるころになって何故か秋田町に通う客が増えてきたのだ。景気が悪くなってきてチョンの間の安さに人気が出たのか。レトロな雰囲気の遊びが受けるようになったからなのか。ともかく理由はどうあれ、ご当地を訪れる客は着実に増えたのだ。

店内変われば、女のコも若返る?!

それで冒頭の記述ではないけれど街の中というよりも店の中の雰囲気が変化してきたのである。三畳ほどの狭い湿気のある個室に、敷きっぱなしのセンベイ布団がベッドになって、陰気な砂壁が、明るい感じの白いベニヤの壁になり、エアコンが置かれるようになって、姫鏡台が可愛いミラーになった。いつの間にか、少しずつ個室が変わったのである。

で、お仕事をしているお嬢ちゃんたちの年齢も30代が主力だったものが、次第に20代後半のコが多くなってきて、さらに20代前半のコまで見かけるようになった。

それがここ数年で再び勢いが無くなってきたようで、最近はちょいと停滞気味のようである。それでも料金が30分で一万円と安いこともあって、以前に比べたら利用者の数は断然多くなっている。

ということで、このクソ暑い夏を“阿波踊り”を楽しみながら秋田町のチョンの間を味わうべく、徳島へと出かけたのである。

それはそれで楽しかった。季節ごとに遊びに行けるフーゾクの場所を、全国で持っているというのはとても贅沢なことである。

「食う呑むヤル」が揃えば、そこは我らの桃源郷

地酒その1:「瓢太閤(ひさごたいごう)」
地酒その1:
「瓢太閤(ひさごたいごう)」
地酒その2:「鳴門鯛(なるとたい)」
地酒その2:
「鳴門鯛(なるとたい)」

特にこの時期には、ご当地の「瓢太閤(ひさごたいごう)」とか「鳴門鯛(なるとたい)」といった旨みのある、さっぱりとした飲み口の地酒を一杯やりながら、渦潮で有名な鳴門海峡の魚を食う。決して食べるのではなく、食うのである。これがタマらない。そしてヤルのである。

いったい何をって、ヤルといったらヤルことは一つ。アレっきゃないでしょう。ネッ!ともかく飛行機に飛び乗ってでも、新幹線ででも、はたまたクルマででも行ってみましょうよ。徳島へ。

もう“阿波踊り”の季節はとうに過ぎてしまったけれど、これからは秋の清涼なシーズンがやって来る。それはそれなりにエッチをヤルにしても、旨い物を食うにしても格好の時期と言えるのでは。

町はずれではない、町の中の住宅街のうす暗い一画でうら寂しい明りをつけて人を待つチョンの間遊びというのもオツなものですよ。えらいこっちゃ、えらいこっちゃ ヨイヨイヨイ!なのです。

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